メカ好きの院長は、様々なツールを駆使して診察を行っています。
そのうちの一つにサーモグラフィーがあります。
この機械で、顔と手の温度を測定します。
筋肉に力が入っている場所は、筋肉が熱を発するために温度が高くなります。
眼瞼下垂症の患者様は、かみしめが強く、目の周りや眉間の筋肉に力が入っている方が多くおられます。
眼瞼下垂症になると、歯を噛みしめ、顔の様々な筋肉に力を込めて目を開けているためです。
↑画像下部のカラーバーの通り、
白が一番温度が高く、青が温度が低いことを示します。
院長が手術中にスタッフが撮影したので、温度設定が下手ですが、
顔の左右アゴの位置にある側頭筋の温度は、顔全体の温度より低いことが分かります。
つまり、この画像はかみしめがない良い例です。
また、手の温度をみることで交感神経の入り具合が分かります。
これも健康的な手で、あまり参考になりません。
交感神経が過剰に入っている方の手は、交感神経の作用で指先だけが冷たくなるのですが。
手術後にもサーモグラフィーを用いて温度を測ることで、傷が感染していないか(感染すると傷は熱を発します)、手術後に余計な筋肉に力を入れていないかチェックしています。
かみしめの話に戻りますが、かみしめていると歯の根である歯根が常に押されている状態になります。
必要以上に刺激された歯根は、歯周病となり、やがては奥歯を失うことにもなりかねません。
また、力を入れてかみしめるため、筋肉が緊張し、頭痛をも引き起こします。
眼瞼下垂症の手術後、かみしめの癖が抜けない患者様も多くおられます。
日中かみしめていると、就寝中もかみしめてしまいます。
日中かみしめなければ、就寝中もかみしめません。
術後であってもなくても、かみしめないことを心がけましょう。